そこには楽園と呼ばれる孤島があった。
 美しい大自然に恵まれたその島には多種多様な知的生命体が棲み、慎ましやかではあるが穏やかで調和のとれた生活を営んでいた。
 楽園にはそこに棲む生物たちを統べる大いなる神がいた。
 その神は気高く強く、楽園の平和を誰よりも深く想っていた。彼は楽園の住民たちから大神ロボと呼ばれ、畏れ敬われていた。
 ある日、ロボの前にひと組みの人間の男女が貢ぎ物を持って現れた。


「大神よ、どうかこの楽園を出ることをお許しください」



 それは新たなる文明の幕開けであり、同時に悲劇の始まりでもあった。
 神の手から離れた人の欲望は留まることを知らず、いずれ世界を包み込むであろうことを、ロボは予感していた。


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